【チャドクガ】毛虫皮膚炎にご注意【特に4~6月、8~9月頃(年2回)】

【チャドクガ】毛虫皮膚炎 公園
【チャドクガ】毛虫皮膚炎

【注意】ページ中盤あたりに、毛虫の画像があるため、苦手な方はお気をつけください。

スポンサーリンク

帯状疱疹と見せかけての、毛虫皮膚炎

典型的な毛虫皮膚炎

最近やたらと疲労感が強かったり、ストレスを感じることが多い日々を送っていました。そんな最中、幼稚園から戻ってくると右腕の内側がぶつぶつの赤い湿疹ができており、まさかの帯状疱疹か!?と戦慄しました。
もしも帯状疱疹だったら、水ぼうそうと同じウイルスということで、乳幼児に感染する可能性もあり、戦々恐々しつつ皮膚科を受診。

ぱっと見で先生が

先生「うん、典型的な毛虫皮膚炎ですね」

帯状疱疹じゃなかった!体、とても丈夫!

いやいや、毛虫皮膚炎ってなんじゃいなと。

毛虫皮膚炎になった経緯

毛虫皮膚炎になった経緯

毛虫皮膚炎と診断されつつも、毛虫に触ったりしたわけではないのに、なぜそうなったのかまったく理解できませんでした。

先生との問診で、どうやら毛虫に触らなくても十分に症状が出る可能性があることがわかりました。
私の場合、足元から30センチほど離れた場所で毛虫(チャドクガの幼虫)がひっくりかえってうねうねしていて、10~20秒ほどその場所にいたことが原因になったようです。
そんなので?と思いましたが、長さ約0.1mmの目に見えない小さな毛(毒針毛/どくしんもう)が50万本以上も生えており、それに触れるだけで発症してしまうため、うねうねしながら毒針毛を飛ばしていたようです。
そしてその毒針毛が風で飛んで触れてしまったり、服も貫通してしまうこともあるようなのです。

なので、肌が露出していた右腕だけではなく、お腹周りにもできた理由がわかりました。かゆい。

症状や治療方法、経過

毛虫皮膚炎の症状

毛虫皮膚炎の症状

チャドクガによる毛虫皮膚炎は、症状がとてもわかりやすく出ます。

  1. 毛が触れた身体の一部に、赤いぶつぶつが大量に発症する。
  2. かなりかゆみが強い。
  3. 水ぶくれになると、腫れや激しい痛みを伴うこともある。
  4. 発症から1~2日が症状のピークとなり、1~2週間で落ち着いてくることが多い。

毛虫皮膚炎の注意点

かゆみが強いため、かいたりこすったりしがちですが、毛針がついた状態でかくと広がってしまいます。また、かくことで細菌に感染し、とびひなどの皮膚炎や感染症を合併してしまう可能性があります。できるだけ患部を刺激しないようにしましょう。

強くかきむしったりしったり、症状が長引くと、茶色いシミのような痕が残ってしまうこと(炎症後色素沈着)があるようなので、できるだけ患部に触れないことが重要です。

治療方法

市販薬で症状を和らげることもできるようですが、基本的にはいち早く皮膚科などの医療機関を受診しましょう。
すぐに病院に行けない場合は、下記の応急処置をします。

  1. 患部に触れないよう注意しながら、ガムテープや粘着テープを使って毒針毛を取り除く。
  2. 流水により、患部をよく洗う(こすったりはしないように石鹸などの泡で優しく)。
  3. かゆみが強い場合は冷やす。

また、衣類に付着している可能性があるため、他の場所に毛が飛ばないように静かに脱いで洗濯をしたほうが良いようです(1回の洗濯では取れない可能性もあるため、他の洗濯物と分けて複数回洗う)。

医療機関では、ステロイド外用薬と抗アレルギー内服薬を処方されるのが一般的なようです。私もそれらを処方されました。

経過

ステロイド外用薬を朝昼晩、1日3回たっぷり塗るように指示されましたが、それでもかゆみが出るため1週間ほどはなかなかきつかったです。

2週間ほどで赤みがなくなってきますが、ぶつぶつぼこぼこは治りきらない印象です。あと、かゆみも落ち着いては来るものの、完全に無くならないため油断してかいたりこすったりしないようにしましょう。

肌のぼこぼことかゆみが完全に無くなるまで、私は4週間ほどかかりました。

毛虫皮膚炎の原因となる毛虫と対策について(※【注意】毛虫画像あり)

原因となる代表的な4種類の毛虫と発生する木の種類

皮膚炎の原因になる有毒な毛を持つ蛾や蝶の仲間は、日本では50種類程度ですが、チャドクガによる被害が多いようです。
まずは、代表的な毛虫と毛虫が発生する木の種類をチェックしましょう。

チャドクガ

お茶の木(ツバキ科)などに発生することから、漢字では茶毒蛾と書かれます。
黒く見える模様の部分に、目に見えない小さな毒針毛(どくしんもう)を50万本以上も抱えており、時に風で飛んできた毒毛で被害が出ることもあります。また、年に2回発生し、幼虫だけではなく、繭(まゆ)・成虫・卵に触れることで症状が出るのが特徴です。発生時期:①4月~6月 / 7月(幼虫 / 成虫)②8月~9月 / 10月(幼虫 / 成虫)分布:本州~九州 / 市街地(公園、庭、学校・幼稚園など)症状:触れた直後から、かゆみと共に赤く腫れ、1~2日後に痒みが強い赤い発疹が出る。かゆみは2~3週間続く。

チャドクガが発生する木の種類

ツバキ・サザンカ・チャノキなどのツバキ科の葉

チャドクガ

ドクガ

ドクガの毒針毛は、齢幼虫では数百本しかないものの、成長と共に毒性と本数が増していき、終齢幼虫では650万本に達するとされています。発生時期:6月~8月分布:日本全国 / 野山に多く発生症状:赤く腫れあがりかぶれ、かゆみは2~3週間続く。刺されるとチャドクガよりも症状が酷くなることもあり、痛みや痒みで眠れなくなることや、発熱やめまいを起こすこともあり。

ドクガが発生する木の種類

サクラ・ウメ・バラ・クヌギなど

ドクガ

イラガ

イラガの幼虫はサボテンのような見た目です。毒棘(どくきょく)と呼ばれる毒毛を持っており、触れることによって毒液を皮膚に注入するタイプです。
皮膚炎の痛みは早く治る傾向にあるものの、触れた時に電気が走ったような痛みを感じるのが特徴です。その特徴から、デンキムシと呼ばれる地域もあります。(その他の呼び名:オコゼ、キントキ、シバムシ)
イラガの成虫は無害です。発生時期:7月~11月分布:北海道~九州 / 市街地(公園、庭、学校・幼稚園など)症状:刺された瞬間、電気が走ったような強い痛みが出て、1~2時間ほどで一旦治る。翌日に赤く腫れてかゆみを生じることもあり。

イラガが発生する木の種類

サクラ・ウメ・ケヤキ・カエデなど

イラガ

マツカレハ

名前の通り、松を枯れさせる原因の害虫として有名で、マツ科に発生しやすいのが特徴です。マツカレハの毒針毛は、毛束が肉眼で見えるため、ピンセットとセロテープで除去しましょう。マツカレハの成虫は無害です。発生時期:4月~7月分布:日本全国 / 市街地にも野山にも生息症状:刺されると激痛が走り、腫れ上がりる。かゆみは1~2週間程度続く。

マツカレハが発生する木の種類

アカマツ・クロマツなどの松の木

マツカレハ

毛虫皮膚炎にならないための対策

  1. 怪しい毛虫に触れない・近づかない。
  2. チャドクガは庭木や公園のツバキ、サザンカなどの樹木の周りに生息しているため、できるだけ近づかない。
  3. 最も毛虫皮膚炎にかかりやすい時季は、チャドクガの幼虫が発生する4~6月と8~9月頃(年2回)。
  4. 上記の時季以外でも、チャドクガは卵の段階から成虫になるまでずっと毒針毛を持っているため、脱皮した抜け殻にも気をつける。
  5. 洗濯物が、木がそばにある場合、室内干しにする。
  6. レジャーやガーデニングの際には、できるだけ肌の露出を避ける。
  7. 自宅の庭に、毛虫が発生しやすい樹木がある場合は、あらかじめ剪定や薬剤散布により毛虫を駆除することも予防に有効。

毛虫皮膚炎のまとめ

毛虫皮膚炎のまとめ
  1. 毛虫皮膚炎の被害は、チャドクガが多い。
  2. チャドクガは、年2回(幼虫:4~6月・8~9月 / 成虫:7月・10月あたり)登場する。
  3. チャドクガは、ツバキ・サザンカなどのツバキ科の葉に生息しやすい。
  4. 幼虫だけではなく、繭(まゆ)・成虫・卵にも触れてはいけない。
  5. 直接触れていない場合、目に見えない毛(毒針毛)が風で飛んできて触れた場合に症状が出ることも。
  6. 衣類を貫通するので、肌が露出していない箇所にも症状が出ることも。
  7. 毛が触れた場合、身体の一部に赤いぶつぶつが大量に出る。
  8. かゆみの波があるものの、かゆみが強い。水ぶくれで痛みも伴う。
  9. かくことで症状が悪化するため、どうしてもかゆい場合は冷やす。また、かくと症状が長引いたり、炎症後色素沈着が数ヶ月残ることもある。
  10. 1~2週間で落ち着く。
  11. 毒針毛はガムテープなどで取り除くか、流水で洗う。
  12. 市販薬もあるが、皮膚科を受診するのが無難。
  13. 公園や庭、幼稚園、学校など、身近な場所に発生しやすい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました